議事録づくりでAIに任せてよいのは、話された内容を読める形に整えるところまでです。決定事項の判断まで任せると、後から「言った・言わない」の確認が発生します。
この記事は、打ち合わせの記録に時間を取られている中小企業の経営者・事務担当者向けです。
議事録づくりで、AIが強いのはどこですか?
強いのは、長い話を読める形に圧縮する作業です。録音の文字起こしは、そのままでは議事録として使えません。言い直し、雑談、重複が大量に混ざるためです。ここを整える作業は、人がやると時間がかかり、AIがやると短時間で終わります。
具体的には、次の作業が向いています。
- 文字起こしから、雑談や言い直しを取り除く
- 話題ごとに区切り、見出しを付ける
- 社内用の記録を、取引先へ送る報告の形に書き直す
- 30分の打ち合わせを、5行の要約にする
逆に不向きなのは、何が決まったのかを判断する作業です。
決定事項を任せてはいけないのはなぜですか?
打ち合わせでは、結論が明示されないまま次の話題へ移ることがよくあります。「じゃあ、その方向で」で終わった話が、実際には合意に至っていない場合もあります。
AIは、この曖昧さをそのまま出力しません。文脈から「決定した」と判断して、断定的な文章に整えてしまいます。 議事録は後から参照される記録なので、決まっていないことが決定事項として残ると、認識の食い違いが後で表面化します。
対処は簡単です。要約はAIに作らせ、決定事項と次のアクションの欄だけは人が書くと決めておきます。この2欄さえ人が書けば、記録としての信頼性は保たれます。
なお、社外の相手が含まれる打ち合わせの録音を外部サービスに送る場合は、録音していること自体の了解を先に取ってください。顧客情報の扱いは事前に社内で線引きしておく必要があります。
irohaの見解:議事録は「作る」より「配る」で効く
議事録の価値は、作った時点ではなく、関係者に短時間で共有された時点で生まれます。丁寧な議事録が3日後に届くより、要点5行が当日届くほうが仕事は進みます。
そのため、AIで作るのは詳細版ではなく当日中に配れる短い版を勧めます。詳細な記録が必要な打ち合わせは限られており、多くの場合は要点とアクションだけで足ります。
打ち合わせが終わったらその場で文字起こしを整え、決定事項の欄だけ自分で埋めて送る。この流れが定着すると、記録の作業はほぼ消えます。
まとめ
議事録づくりでAIに任せるのは、文字起こしの整形と要約までです。決定事項と次のアクションは、必ず人が書いてください。
そして詳細版を作り込むより、当日中に短い版を配ることを優先してください。議事録は速さで効きます。