中小企業がAI導入をためらう理由は、たいてい3つの思い込みに集約されます。費用が高い、専門知識が必要、人の仕事がなくなる。いずれも実際とは違います。

この記事は、AIの活用に関心はあるが、自社には縁遠いと感じている中小企業の経営者向けです。

よくある3つの誤解とは?

誤解 実際
導入に何百万円もかかる 業務を1つに絞れば、月数千円のサービス契約から始められる
専門知識がないと使えない 必要なのは技術の知識ではなく、任せる業務を選ぶ判断
人の仕事がなくなる 減るのは文章づくりなどの作業で、判断の仕事は残る

1つ目の誤解が、もっとも機会を失わせています。 大企業の導入事例で語られる金額は、専用のシステムを開発した場合のものです。中小企業が最初に取り組む範囲であれば、一般的なAIサービスの契約だけで足ります。

2つ目については、むしろ逆です。技術に詳しい人ほどツールの比較に時間をかけ、業務が変わらないまま終わることがあります。必要なのは、自社のどの作業が「書く作業」で、どれが「決める作業」かを仕分ける判断です。

なぜこの誤解が生まれるのですか?

情報の出どころが大企業向けに偏っているためです。事例として紹介されるのは規模の大きな導入で、金額も体制も中小企業の実情と噛み合いません。

もう1つの原因は、AIをシステムとして捉えてしまうことにあります。基幹システムの入れ替えのように、全社で一斉に切り替えるものだと考えると、費用も体制も過大に見積もることになります。

実際には、1人の担当者が1つの業務で使い始めるところからで構いません。やめるのも簡単なので、失敗したときの損失も小さく済みます。

3つ目の「人の仕事がなくなる」については、順序が逆だと考えたほうが正確です。中小企業で実際に起きているのは、人手が足りずに手が回っていない仕事があり、そこへ着手できるようになる、という変化です。人員を減らすためではなく、後回しになっている仕事を動かすために使うのが現実的な位置づけになります。

irohaの見解:判断すべきは「導入するか」ではなく「どの業務からか」

検討の入口を「AIを導入するかどうか」に置くと、話が大きくなって結論が出ません。「どの業務から試すか」に置き換えると、翌週から動けます。

選ぶ基準は、効果の大きさではありません。失敗しても損害が出ないこと、そして確認が短時間で済むことです。案内文の下書き、議事録の整形、社内向けの手順書づくりあたりが該当します。

なお、進め方そのものでつまずく例も多くあります。詳しくは中小企業のAI導入が失敗する3つの理由にまとめています。

まとめ

AI導入の費用は、業務を絞れば月数千円から始められます。必要なのは技術の知識ではなく、任せる業務を選ぶ判断です。

「導入するか」ではなく「どの業務から試すか」で考えると、検討は前に進みます。判断が難しい場合は、お問い合わせからご相談ください。