顧客への返信メールをAIで書くときに気をつけるのは、文章の上手さではなく、事実と温度の2点です。この2つを外すと、丁寧な文面のまま信頼を落とします。
この記事は、問い合わせ対応や顧客とのやり取りに時間を取られている中小企業の経営者・事業主向けです。
どこで失敗するのですか?
失敗のしかたは、だいたい次の3つに分かれます。
- 事実が混ざる。納期、金額、条件など、こちらが確認していない内容がもっともらしく書かれる
- 温度が合わない。謝罪の場面で他人事の文章になる、急ぎの相手に悠長な前置きが付く
- どの顧客にも同じ文章になる。読む側は、他社にも同じ文面が行っていることに気づく
このうち一番危険なのは1つ目です。文章として自然なので、読み返しても違和感がありません。金額や日付が事実と違っていても、そのまま送ってしまいます。
3つ目は見落とされがちですが、続けると効きます。やり取りを重ねている顧客ほど、定型文であることに気づきます。
どう使えばよいですか?
書かせるのではなく、直させる使い方に切り替えてください。
| 使い方 | 向き不向き |
|---|---|
| 要件だけ伝えて全文を書かせる | ✕ 事実が混ざる。温度も合わない |
| 自分で書いた文を整えさせる | ○ 事実は自分が書いたもの。崩れない |
| 表現の候補を出させる | ○ 言い回しに迷ったときに有効 |
| 長い文を短くさせる | ◎ 最も安全で、効果も大きい |
自分で骨子を書き、AIに整えさせる。この順番であれば、事実の部分は自分が書いたまま残ります。文章が苦手な方ほど効果が大きい使い方です。
送る前の確認は、次の3点に絞れば十分です。
- 数字(金額・日付・数量)が自分の書いたとおりか
- 約束していないことが書かれていないか
- 相手の状況に対して、文面の温度が合っているか
謝罪、値上げの連絡、断りの返信。この3つは、最初から自分で書いてください。文面の良し悪しより、こちらが手をかけたかどうかが相手に伝わる場面です。
irohaの見解
メール対応は、AIで時間を減らしやすい業務です。ただし減らすべきなのは書く時間であって、考える時間ではありません。
何を伝えるかは自分で決め、どう書くかを任せる。この分け方であれば、速くなっても質は落ちません。逆に、何を伝えるかから任せると、事実の確認に元の作業以上の時間がかかります。
弊社は記事を書くときも同じ分け方をしています。何を伝えるかは人が決め、文章にする作業を任せ、公開前に人が確認する。業務の種類が変わっても、この分担は共通して機能します。メール対応は、その中でも最も取り入れやすい業務です。
まとめ
- 危ないのは事実の混入。文章が自然なので気づきにくい
- 全文を書かせず、自分の文を整えさせる
- 謝罪・値上げ・断りは自分で書く
顧客対応のどこを任せられるか整理したい場合は、お問い合わせからご相談ください。