AIの回答が間違っていた場合、責任を負うのはそれを使って外に出した会社です。AIの提供元でも、操作した社員個人でもありません。この前提を社内で共有しておかないと、事故が起きたときに動けなくなります。

この記事は、業務にAIを取り入れるにあたって、社内の責任の所在を決めておきたい中小企業の経営者向けです。

なぜAIの提供元の責任にならないのですか?

AIは、成果物の正しさを保証する契約になっていないためです。

各サービスの利用規約では、出力内容の正確性は保証されず、利用者が内容を確認したうえで使うことが前提として書かれています。これは計算機や翻訳ソフトと同じ考え方で、道具の提供者は結果責任まで負いません。

顧客や取引先から見ても同じです。受け取った書類が間違っていたとき、相手が問うのはその書類を出した会社です。作成過程でAIを使ったかどうかは、相手にとって関係のない話になります。

「AIが間違えた」は、社内の原因説明としては成立しますが、対外的な説明としては成立しません。

どう決めておけばよいですか?

責任の所在ではなく、確認の担当者を業務ごとに決めるという形にしてください。

決めること 具体的に
誰が確認するか 業務ごとに担当者を1人決める。「みんなで確認」は誰も確認しない
何を確認するか 数字、固有名詞、日付、法令に関わる記述。ここは必ず人が見る
どこまで任せるか 外に出す前の下書きまで。最終版をAIの出力のままにしない

ポイントは、個人の責任を追及する仕組みにしないことです。担当者を決めるのは、罰を与えるためではなく、確認が抜ける状態をなくすためです。ここを取り違えると、社員がAIを使ったこと自体を隠すようになります。

そのうえで、確認して出したものが間違っていた場合は、会社として対応する。この線引きを先に伝えておくと、社員は安心して使えます。

irohaの見解

弊社は記事を書く際、AIが書いた文章を必ず人が確認してから公開する運用にしています。仕組みとして、確認を経ないと公開できないようにもしてあります。

理由は、責任を分散させないためです。確認する人が決まっていれば、出す前に必ず誰かの目が入ります。決まっていなければ、全員が「誰かが見ているだろう」と考えて、そのまま出ます。

責任の所在を考えるより先に、確認の担当を決めるほうが実務的です。 確認さえ入っていれば、責任の話になる場面自体が減ります。

まとめ

  • 責任を負うのは、AIを使って外に出した会社
  • 責任者ではなく、業務ごとの確認担当を決める
  • 数字・固有名詞・日付・法令の記述は必ず人が見る

社内のAI利用のルールをどう決めればよいか迷っている場合は、お問い合わせからご相談ください。業務の内容を伺ったうえでご提案しています。